最後の夏は甲子園に出場できなかった。
「野球に携わり続けたい」と思った女子マネジャーは、色んな人に相談する中で東京大学の監督(当時)に出会った。「野球部のない大学に進学したら入部を歓迎する」と言われ、人とは違う道を歩いてみようと決心した。
あれから4年。
「大変なこともあったけど、貴重な経験をさせてもらいました」
聖心女子大学4年生の伊沢真優(まゆ)さん(22)に、野球と歩んだ日々を振り返ってもらった。
地元の球場で母と高校野球を観戦し、常総学院高校(土浦市)が甲子園に出ると、父と応援バスに乗り込んだ。
「初めて甲子園のアルプススタンドに出たときは体が震えました。たしか、小学3年生。地方大会とは、暑さも熱気も全然違う。ゾワゾワッとしました」
当然のように常総学院に進学し、野球部に入部した。同期の女子マネジャーは4人。「グラウンドには出ないで、周辺の環境を整えることが私たちの役割でした」。草むしりや掃除で終わった日もある。「何もしない時間をつくらない。自分で仕事を見つけることを先輩から学びました」
2年時は春夏とも甲子園に出場し、夏はベスト8入り。しかし、3年時は甲子園に出られなかった。
「充実した3年間だったけど、最後に負けてしまい、やり切ったとは思えなかった。どんな形でもいいから野球を続けたい。そう思いました」
受験勉強の傍ら、場内アナウンスを目指す学校にも通った。そこで出会った人に東大監督(当時)の浜田一志さん(57)を紹介してもらい、東大球場に会いに行った。
「正直に言うと、すごいしっ…

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