三菱重工、スペースジェット部品工場を売却 開発中断し事業化困難

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内藤尚志、山本知弘、野口陽
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 三菱重工業は16日、三重県松阪市の工場の一部を、消毒薬などを手がける健栄製薬(大阪市)に売却した。国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」の尾翼などを手がけていた。

 三菱重工によると、SJの製造を担う同社工場の売却は初めて。SJは開発を中断しており、事業化が見通せなくなっている。

 売却したのは、工場のおよそ半分にあたる約8万3千平方メートルの土地と建物の一部。売却額は非公表としている。残る半分の土地は航空機部品メーカーなどに貸し出しており、三菱重工が所有を続ける。

 松阪工場では、SJの尾翼を量産する計画だった。開発の中断で稼働しておらず、従業員もいなかったという。

 地元の松阪市は、航空機生産事業についての工場立地協定を三菱重工と結ぶなど、関連産業の育成に力を入れてきた。市企業誘致連携課は「SJという大きなプロジェクトに期待していただけに市としても残念だ」とする。ほかの航空機関連の工場などは残るため、今後も支援に力を入れたいという。

 三菱重工はコロナ禍で落ち込んだ航空機の需要が回復すれば、SJの開発を再開する可能性もあるとしている。量産する場合は、ほかの拠点を確保して尾翼を製造する方針だ。松阪工場以外のSJ関連の製造拠点は、別の製品を扱う工場の敷地内にあり、「SJ分だけを切り出して売却するのは難しい」という。

 三菱重工がSJ開発に本格的…

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