英イングランド銀行が0.25%に利上げ 主要中銀でコロナ下で初

ロンドン=和気真也
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 英国の中央銀行にあたるイングランド銀行(BOE)は16日、金融政策委員会を開き、政策金利を年0・1%から年0・25%に引き上げた。主要中銀でコロナ下で利上げに踏み切るのは初めて。物価高が進み、暮らしに影響が出始めていることを重く見て引き締めを決めた。

 BOEは昨年3月、新型コロナ下の経済を支えるために政策金利を過去最低水準に下げていた。

 しかし、英政府統計局が今月15日に発表した11月の消費者物価指数は、前年同月比5・1%も上昇し、目標の2%を大幅に超えた。夏に移動などの規制が完全解除された反動で個人消費が伸び、供給が一部で追いつかなくなっていることや、移動や輸送が増えてエネルギー価格が高騰していることが背景にある。欧州連合(EU)離脱でもともと減っていた移民の労働力を補えず、人手不足が深刻化していることも拍車をかけている。

 一方で、英国はオミクロン株の影響もありコロナ感染が再拡大。12月15日の新規感染者数は約7万8千人にのぼり、景気の先行きは再び不透明になっている。

 エネルギー高騰を主因とするインフレに悩むのは欧州中央銀行(ECB)も同じだ。EU統計局によると、11月のユーロ圏消費者物価指数は前年同月比4・9%上昇した。ドイツ単独では同5・2%に上ったと、ドイツ政府も発表した。ただ、ラガルド総裁はこれまで、「物価上昇は一時的」との見方を示し、金融政策の引き締めには慎重だ。

 また、ECBは16日に理事会を開き、コロナ禍対策で昨年導入した計1兆8500億ユーロ(約240兆円)分の枠を持つ量的緩和策「パンデミック緊急資産買い入れプログラム(PEPP)」を予定通り来年3月に終了させることを決めた。オミクロン株の不安はくすぶるが、コロナ禍後を見据えて正常化をはかる。(ロンドン=和気真也)