ゲーセンが相次ぎ閉店の秋葉原 増えたトレカ店と人気の特注イヤホン

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山口啓太
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 電気街として知られる東京・秋葉原も、コロナ禍の影響を大きく受けた街の一つだ。大型のゲームセンターやホビー店などが相次ぎ閉店。緊急事態宣言が明けた後はにぎわいを取り戻しつつあるが、昔ながらの街並みが残る一方、コロナ禍でこそ生まれた店や集客する店も誕生したという。「アキバ」の今を歩いた。

 秋葉原駅近くにある国内最大級のポケモンカード専門店「晴れる屋2」。平日の夕方、約20人の客でにぎわっていた。東京都台東区の大学生男性(21)は緊急事態宣言中に友人とリモート対戦を重ね、カードにのめりこんだ。「在宅でも、これがあれば退屈しない」

 店は、地上5階、地下1階のビルを借り切って7月にオープンした。運営会社「晴れる屋」は、別のトレーディングカードゲーム(TCG)専門店を全国各地に出してきたが、「ポケモン特化」は初の試み。斎藤友晴社長(38)は「巣ごもり需要の高まりが一つの契機になった」と言う。

 秋葉原の街には今夏、TCG専門店が少なくとも45店あったが、その後も月1~2店ずつ増えているという。斎藤社長は「在宅とTCGの相性は悪くない。急速に広まったポケモンカードを足がかりに、業界全体を盛り上げたい」と話す。

時代とともに変わる「顔」

 秋葉原は時代と共に街の「顔」を変えてきた。

 秋葉原の歴史に詳しい森川嘉一郎・明治大准教授によると、秋葉原は高度経済成長期からバブル期にかけ日本有数の電気街として知られ、家電目当ての家族連れでにぎわった。その後、バブル崩壊と前後してPCを扱う店が増え、マニア的な男性客が目立つように。

 1990年代末ごろからはPCゲームの客層と親和性が高いマンガ同人誌フィギュアなどの需要が高まり、オタク系専門店が次々進出。00年代にはアキバ系男性が主人公の「電車男」のヒットもあり、メディアの注目と共に、メイドカフェなどに観光客が押し寄せた。

 1度目の緊急事態宣言があった昨春以降、コロナ禍の営業自粛の中で客足は大きく減少した。駅周辺は空きビルが目立ち、あちこちでシャッターを下ろした店がみられるが、TCG専門店のように、新たに進出する動きも出てきた。

 オーディオメーカー「オンキヨー」は4月、秋葉原に初のアニメ専門店「音アニ」を開いた。主力は、人気のアニメとコラボレーションした数万~十数万円の特注のイヤホンだ。

 店長の伊東帝さん(48)は「自宅で楽しむエンタメや音響機材は注目されている。街の強みである漫画やアニメを入り口にイヤホンの良さを発信できれば」。店には「テレワークで耳の負担を減らしたい」「家で見ることが増えた映画の音響を良くしたい」などコロナ下ならではの相談が寄せられるという。

コロナ明け見据え、老舗も健在

 秋葉原で長く営業を続けてきた老舗も健在だ。

 家電部品などを販売する19…

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