福岡の5歳園児死亡、前園長ら4人書類送検 炎天下バスに放置の疑い

板倉大地
[PR]

 福岡県中間市の双葉保育園で7月、園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)が送迎バス内に取り残され熱中症で死亡した事故で、福岡県警は17日、いずれも当時の園長(44)と保育士3人を業務上過失致死の疑いで福岡地検に書類送検し、発表した。全員容疑を認め、前園長は、「園児が亡くなったことや安全管理ができていなかったことについて、申し訳ない」という趣旨の話をしているという。

 県警などによると、書類送検されたのは浦上陽子・前園長のほか、当時園児を降車させる係や担任、副主任の保育士だった29~58歳の女性3人。

 書類送検容疑は7月29日、朝の登園時に冬生ちゃんの乗った送迎バスが到着した際の降車確認やその後の園での出欠確認を怠り、炎天下の駐車場に止められたバスの中で冬生ちゃんを死亡させたというもの。4人は「泣いている(他の)園児に気を取られた」「安易に欠席と判断した」と話しているという。

 冬生ちゃんが発見されたのは、乗車から約9時間後の29日夕だった。司法解剖の結果、午後1時ごろに熱中症で死亡したとみられる。帰りの送迎バスに冬生ちゃんがいないことに母親が気づいた。その後、登園時に乗ったバスの車内で倒れているのが見つかった。

 このバスを運転していた浦上前園長と園児を降車させる係だった保育士は、車内を十分に確認せずに施錠。担任、副主任の2人は冬生ちゃんの不在に気づきながら、園長や保護者に出欠を確認していなかった。園は事故後、送迎バスを廃止し、約1カ月後の9月に浦上前園長が引責辞任し、理事長も交代した。

 県警は、これまでに保育士や保護者ら約100人を事情聴取。事故当時のバスの状況を再現する実験をして、冬生ちゃんが死亡した当時の車内の温度は50度を超えていたとみられることを確認していた。

 冬生ちゃんの母親は書類送検を受け「いかなる罪になろうと冬生が戻ってくることはありませんが、このような悲劇が二度と起こらないためにも、冬生の死に関わった人には出来る限り重い処罰が科されることを願っています」とコメントした。(板倉大地)