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公立病院、コロナ禍で「崖っぷち」脱出に光 北海道中標津町

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斎藤徹
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 新型コロナ感染拡大で全国の公立・公的病院がコロナ患者を積極的に受け入れ、地域医療にとって重要な役割を担っていることが再認識された。だが、その多くは人口減に伴う収入減などで経営が悪化し、国からは統合・再編を促されている。外部の専門家の意見を採り入れ経営改革を進める北海道中標津(なかしべつ)町の町立中標津病院の取り組みから、地方での公立病院存続のためのヒントを探った。

 中標津町は北海道東部の内陸に位置し、人口約2万3千人の酪農の盛んな地域だ。10月25日、町立中標津病院で初の「院長と語ろう会」が開かれた。

 職員が病院経営に関する意見や要望を久保光司院長に直接ぶつけ、実効的な改革につなげたり、職員に病院経営への参加意識を高めてもらったりすることが目的だ。

 職員に病院の経営状況を知ってもらおうという試みは、昨年6月から1年間取り組んだ病院経営改革プロジェクトチーム(PT)からの流れだ。全国各地の病院の経営立て直しに関わってきたNPO法人「病院経営支援機構」(東京都)の主導で、外部有識者も加わって月1回、職員が収入増やコスト削減の方策を考えてきた。

 PTでは、収益が減った最大の要因は入院患者の減少だとする分析結果をふまえ、収入を増やすための様々な改善策が提案された。

 具体的には、産婦人科と小児科だけだった病棟を再編し、内科や整形外科の患者も受け入れる▽診療報酬を厳密に加算する▽医薬品取引先と値引き交渉する▽この病院でどんな治療が受けられるか知らない住民向けに広報誌をつくってPRする――などだ。

 その結果、1日の平均入院患者数は、2019年の83・3人から20年は104・0人に増えた。19年度に15億4800万円あった町の一般会計からの繰入金は20年度は14億3800万円に、8億3千万円あった金融機関からの一時借入金は5億7千万円に、いずれも減った。一時借入金は21年度にはさらに改善が進み、1億~2億円ほどにまで減る見込みだ。

 20%を超えると危機的状況といわれる資金不足率は、19年度の19・9%から20年度は8・3%まで改善し、「崖っぷち」の状態からは抜けだしつつある。

 病院経営支援機構の合谷貴史…

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