第3回教授からスナックで触られ、キスされた「これ以上、絶望させないで」
本当なら今ごろは研究者として、母校の大学の教壇に立っているはずだった。
それがいま、宮崎県内の女性(41)は、母校を訴える立場にある。
思い返せば5年前、男性教授(61)に、大学院の入試について相談したのがすべての始まりだった。
大学で指導者の男性教員からハラスメントを受けても、女性研究者の多くは我慢している現実があります。勇気を出して大学の相談室に訴えても、立場の弱さもあって、適切な対応が受けられるとは限りません。二重のダメージが彼女たちを傷つけます。
女性は九州地方の私立大学を卒業後、薬剤師として働いていた。
患者の自宅に薬を届けて相談を受ける中で、もっと専門的に在宅医療を学びたいという思いが強まった。
恩師に相談すると、大学院進学を勧められた。
2016年3月、次の年度の入試を受けるつもりで、学生時代から知っていた男性教授に相談した。
すでにその年の入試は終わっていたが、入試の担当だった教授の取り計らいで、女性のために特別に試験が実施された。
入学式の日に初めて、自分の所属が、希望していた恩師の研究室ではなく、教授の研究室になっていることを知った。
教授は基礎医学系の研究をしており、実験が主体だ。女性が思い描いていた研究テーマとは畑違いの分野で、ほぼゼロから勉強しなければならなかった。
教授は機嫌を損ねると、まともに話さなくなるタイプだと聞いていた。
「こんなこともわからないのか」
ほかの学生の前でも強い言葉を投げつけられることが続き、女性は「学位が取れるのか」と焦った。
それに、入試をめぐり便宜をはかってもらった「うしろめたさ」もあった。
だから、反論しなかった。
教授の行動はエスカレートしていった。
スナックからの帰り道、抱きしめられ…
入学から半年くらい経ったこ…