第1回「日本の決定はあまりにも遅い」迫る米国 湾岸危機、緊迫の記録

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外務省が2021年12月に公開した外交文書に押された「極秘 無期限」の印=外務省内。山本裕之撮影
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 「先刻、イラク軍がクウェート国境を越え、クウェート領内3キロまで侵攻」

 90年8月2日。日本時間午前11時半、冷戦直後の世界を激震させた湾岸危機の一報が、米国務省からワシントンの日本大使館に飛び込んだ。前月下旬からの中東情勢を外務省時系列で記録した同日付の「情勢ペーパー」から緊迫した状況が伝わる。

 冷戦終結の翌1990年、イラクのクウェート侵攻が世界を揺るがした湾岸危機。米国が「新世界秩序」の主導権を握る一方で地域紛争が顕在化し始めていた。軍事力行使を含む国際社会の対応に日本はどう関わろうとしたのか。秘密指定を解かれ、22日に公開された外交文書から追う。

 イラク侵攻直後のクウェート市内について「市内海岸沿いのホテルの西方から大砲と思われる音声が聞こえ、砲声によりホテルが揺れている」と報告。4日付文書にはクウェートの日本大使館から「3日午前6時ごろより、砲撃が再び開始。かなりの黒煙。邦人数人が居住するマンション付近に着弾」とある。

 「秘 無期限」の7月24日…

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