桃の形の岩に咲く花々、礼文島の高山植物群が国の天然記念物に

芳垣文子
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 国の文化審議会は17日、北海道礼文町の礼文島桃岩一帯の高山植物群落を国の天然記念物に指定するよう、文部科学大臣に答申した。北海道内の国指定天然記念物は2000年の「オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地」(足寄町)以来で、今回で48件目となる。

 桃岩は礼文島の西海岸にあり、高さ約250メートルで、文字どおり大きな桃のような形をしている。島の西海岸は急ながけが連なっていて風が強く、標高が低いにもかかわらず高山植物が群生している。強風に加え寒さで土壌が凍り、気温が上がると溶けることを繰り返す、植物にとっては厳しい環境にある。

 こうした環境下でレブンアツモリソウ、レブンキンバイソウ、レブンコザクラなど、礼文島ならではの植物が群生している。狭くて特殊な土地であるにもかかわらず高山植物の種類が多く、礼文島固有の植物も数多い。

 北海道の主な山岳の高山植物は北方系が多いのに対し、礼文島の高山植物は本州と同じく南方系が多いのも特徴だという。植物がどのように入ってきてどう移動するのか、気候変動がどう影響しているのかなどを知る上で、植物地理学的に非常に貴重であることが評価された。

 桃岩のそばには展望台と遊歩道がある。これらの植物の見頃は6~7月で、間近で楽しむことができる。礼文町の竹中俊一教育長は「島の宝が国の宝として認知されることを踏まえ、次世代に継承する取り組みを着実に進めたい」とのコメントを出した。(芳垣文子)