カキフライ揚げる21歳、客の悩みに優しく相づち 自分を思い出し

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寺沢知海
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 大阪の商店街の店でカキフライを揚げる21歳の女性はこの冬、孤独や不安を抱える客の悩み話に、優しく相づちを打ち続ける。少しだけ昔の自分自身を思い出しながら。

 12月上旬の夜、大阪市福島区のカキフライ専門店「結笑和(ゆにわ)」。「友達が全然できないんですよね」。関東から大阪へ最近仕事で引っ越してきた20代の客が、寂しそうにそうつぶやいた。女性はカウンター越しに、大粒のカキフライを揚げながら聞き続けた。

 11月下旬のランチタイムには、不登校の男子高校生がソフトドリンクを片手に将来への不安を打ち明けた。「俺、警察に補導されたことがあるんですよ」。一緒に来店した母親も「どうしたらいいんでしょうか」。再び登校するか、退学して働くか悩む親子に、女性は「自分が好きなようにやったらいいんじゃないかな」とだけ返した。

 女性のほうからしゃべり続けることはない。客が欲しているのはきっと、アドバイスではなく、話を聞いてもらえる場所。女性は、かつて孤独にうちひしがれていた自分を思い出しながら、相づちを打つ。

 女性は少年院を出て、この店…

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