「淡水魚の聖地」岡山、守り抜くため奔走

神崎卓征
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 1994年から13年間、公益財団法人・岡山県環境保全事業団の「生き物係」として、県内各地の動植物をくまなく調査して回った山田哲弘さん(50)。山から島まで歩いたことで「どこにどういう植物が生え、どんな生き物が生息しているか学ぶ貴重な機会となった」。

 経験を生かし、今は同事業団の環境学習センター「アスエコ」(岡山市北区)所長として、生態系の保全を伝える講演や出前講座などを続けている。

 岡山には全国的に見ても豊かといえる生態系が残る。特に魚類は「淡水魚の聖地」と呼ばれるほど種類が多く、その数129種類。環境省の調査では淡水魚の種類が多い全国の河川ベスト10のうち、旭川は3位、吉井川4位、高梁川6位。「3河川も含まれる県は珍しい」という。

 だが129種のうち43種類は、県の2020年レッドデータブックで絶滅の恐れがあるとされている。天然記念物に指定されている「アユモドキ」をはじめ、用水路がコンクリートで固められるなどして、絶滅寸前に追い込まれた淡水魚は少なくない。ブラックバスやブルーギル、中国や朝鮮半島から移入された外来魚の影響も大きい。

 淡水魚の生息地が失われないよう、公共工事を行う行政などに生き物の情報を提供し、生物が生息しやすい環境の保護に奔走。その一方、温暖化マイクロプラスチックの問題の啓発活動にも力を入れる。「身近にいる淡水魚という切り口から、地球環境問題について考えるきっかけにしてもらいたい」(神崎卓征)