アートで知る、海外ルーツの「隣人」の日常 足立区

塩入彩
[PR]

 日本に暮らす、海外にルーツのある「隣人」たちの日常生活にスポットをあてた多国籍美術展「わたしたちはみえている」が、東京都足立区千住仲町の「北千住BUoY」や「仲町の家」で開催されている。移民や移住をテーマにしたアーティストの作品や、公募作品などが展示される。

 同展は、アートを通じて、日本に暮らす在留外国人と出会うきっかけづくりをしてきた「イミグレーション・ミュージアム・東京(IMM東京)」の約10年間の活動の集大成として開催される。IMM東京は、足立区を拠点に展開する市民参加型アートプロジェクト「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」のプログラムの一つ。秋田公立美術大学教授で美術家の岩井成昭さん(59)が主宰する。当初は昨年開催する予定だったが、新型コロナの影響で実地開催が今年に延期されていた。

 今回は、四つの異なるアプローチの展示がされる。プロアーティストの作品の展示では、岩井さんの「東京で開催された五輪とは何だったのか」との問いに、3人の現代アーティストが作品で答える。また、海外にルーツを持つ人たちからの公募作品の展示では、約100点以上の中から約30点が並ぶ。

 ほかにも、国内で多文化社会に関する活動をしている団体の紹介や、学生や社会人らによる首都圏の多国籍化に関するフィールドワークの成果発表なども行われる。

 「他の文化圏の文化を知ることは、日本の文化を客観的に知る機会になる」と岩井さん。「国内には約280万人の在留外国人が隣人として暮らしていて、豊かな文化的背景を持っている。そして、彼らをサポートする動きもある。その両方を知ってほしい」と話す。学生スタッフとして携わる東京芸術大大学院生の韓河羅(ハンハラ)さん(28)も、「様々な作品や表現を通して、自分たちの身近にいろんな人が暮らしていることや、そのおもしろさを体感してもらえたら」と意気込む。

 26日まで。いずれも入場無料で、事前予約不要。午後1~7時。北千住BUoYは火曜日、仲町の家は火~木曜日が休み。詳細は、同展の特設サイト(http://immigration-museum-tokyo.com/別ウインドウで開きます)へ。(塩入彩)