庶民の味だった海の黒ダイヤ 狭い漁場で乱獲、守り育てる発想へ転換

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安田琢典、横山蔵利
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 独特な食感の珍味として人気が高く、中国では高級食材として高値で取引されるナマコ。「海の黒ダイヤ」とも称され、正月を前にナマコ漁は最盛期を迎えている。ただ、国内産の1割強を占める青森県の陸奥湾では年々、漁獲量が減り続けている。漁業者の貴重な収入源を守り、増やそうとする取り組みも進んでいる。

 前日までのしけが静まった14日。県内産ナマコの4割前後を水揚げする平内町漁協の清水川漁港に、刺し網で捕れたナマコが水揚げされた。荷さばき所には「ナマコ樽(だる)」と呼ばれる10キロ入りの黄色いポリ容器が十数個並んだ。午後からの競りを前に、仲買人の男性は「ここのところ海が荒れていたので、品薄感がある。1キロ3千円はするだろう」と話した。

 アワビ、フカヒレとともに「俵物三品」といわれ、貿易でも貴重品だったナマコは江戸時代から捕られてきた。かつては1キロあたり200円もしなかった「庶民の味」だった。それが、滋養強壮に効果があるとして中国向け乾燥ナマコの輸出が増え始めた2000年ごろから漁獲量が一気に増え、価格もつり上がった。

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 県水産振興課などによると、1988年に293トンだった漁獲量は、2007年に過去最高の1653トンを記録。その後も1100~1500トン前後で推移していた。近年でも中国の需要は高く、値崩れせずに高値で取引され続け、13年には過去最高の37億6千万円を売り上げた。

 ただ、14年以降、漁獲量は…

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