極右か左派か 世論も真っ二つ チリ大統領選、きょう決選投票
サンティアゴ=岡田玄
南米チリで19日、ピニェラ大統領の任期満了にともなう大統領選の決選投票が投開票される。第1回投票で首位だった極右ホセ・カスト氏(55)と、左派のガブリエル・ボリッチ氏(35)が競り合っており、世論は真っ二つだ。左右の極端な候補を選ぶことに、有権者の間には戸惑いもある。
投票日直前の17日朝、首都サンティアゴ中心部のイタリア広場に置かれた銅像の台座の半分が、真っ白に塗られているのがみつかった。この広場を境に富裕層と貧困層の生活地域が分かれる。台座の片側には左派のスローガンなどが書かれ、もう半分は真っ白。世論や階層が分断されたチリの現状を表していると話題になった。
チリでは2019年10月、地下鉄運賃の30ペソ(約4円)の値上げをきっかけに、学生を中心にデモが発生。「30ペソではなく30年だ」がスローガンとなり、ピノチェト軍事独裁政権時に導入され、民政移管後も30年にわたって続いてきた新自由主義経済の見直しと格差税制を求める運動が広がった。
大半は平和的なデモだったが…
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