冷戦直後、湾岸危機の激動伝える 2021年外交文書

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 30年経った記録が毎年公開される外務省外交文書公開が、2021年12月にありました。今回の公開対象は、米ソが対立した冷戦が終わって間もない国際社会の激動期。見どころを取材班キャップの藤田直央・編集委員が話します。朝日新聞ポッドキャストでお聞き下さい。

 Q 最近ネットなどで、日本の外交文書をもとにした記事を見かけます。

 A 外務省が公開したもので、今回は全部でファイル18冊、約7300ページ。「極秘 無期限」といった印が押された紙もあります。外務省が学者も交えてどのファイルを出すか議論し、秘密指定を解いて、膨大な戦後外交の記録を少しずつ出してきています。

 今の外交に影響しないようにということで、30年経つまでは出さないというルールがありますが、今年は節目でした。約30年前といえば冷戦が終わり、イラクにクウェートが侵攻した湾岸危機が起きたからです。

 Q そんなにたくさんの文書をどのように読んで、記事を書くんですか。

 A 公開された7300ページは外務省のサイトにアップされ、東京・麻布台の外交史料館では原本が見られます。ただし希望する報道機関には公開前に取扱注意で提供され、報道が解禁となる公開日に向け記事の準備ができます。

 取材班は今回、公開日の約4週間前に文書データをダウンロードし、4人で分担して読み込みました。文書はテーマ別にファイルにとじられていますが、その順と作成の日付が前後したり、専門用語があったり、タイプ打ちと手書きが交ざったり、と厄介です。

 約30年前の話を報じるわけですから、文書を当時の新聞記事と見比べ、何が新たにわかったかを確認するのは基本動作です。読者にわかりやすい記事を書くため、外交官OBや学者に話を聞いて回り、当時の日本外交の裏舞台や時代背景の理解にも努めました。

 Q おおっと思う話は?

 A ありましたよ。40年以上にわたる冷戦が終わって各国が新たな針路を探った頃ですから、ドラマにあふれています。米中関係、日米関係、日朝関係など、今につながる話も盛りだくさんです。朝日新聞紙面の特集では、その冷戦直後の世界を揺るがした湾岸危機に焦点を当てました。

 そうした記事も含め、朝日新聞デジタルの特集「外交文書は語る 2021」(https://www.asahi.com/politics/diplomatic-documents/)に20本以上が載ります。取材班の力作ぞろいに乞うご期待です。

 続きは朝日新聞ポッドキャストで!

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    牧原出
    (東京大学先端科学技術研究センター教授)
    2021年12月29日19時30分 投稿

    【視点】先頃公開された外交文書についての特集記事の連載が続いています。一つ一つの記事は、とっておきの文書内容の紹介が中心で、まあそうなのかなという感想に止まることが多いのですが、それらの全体像はどうなのかという疑問が読むたびに湧いてきます。このポッ