文通費問題は「身を切る改革」か 競うように改正案、中身の議論は

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聞き手・桜井泉 聞き手・池田伸壹 聞き手・稲垣直人
写真・図版
イラスト・朝岡 遊
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 国会議員に月100万円を支給する文書通信交通滞在費(文通費)の見直しは、使途公開を巡り与野党が折り合えず、21日閉会の臨時国会では先送りされそうだ。問題の本質は何か。

「身を切る改革」民主主義の観点は 政治学者・山崎望さん

 文通費の原資は税金ですから、その使途に関して、国民には知る権利があります。

 国会議員が政治活動をする上において、使い方が理にかなったものなのか。月額100万円という金額は妥当か。余ったらどうするのか。

 有権者である国民が、そうした判断をするためには、領収書の公開を義務づけ、使途を明らかにさせる必要があります。できないのなら、文通費に名を借りた「第2の給与」と言わざるを得ません。

 今まで放置されてきたのは、職業政治家たちが「政治の世界には、民間とは異なった常識がある」として、使途を説明する気もなかったからです。自民党が文通費の「日割り支給」を提案しつつも、使途公開の義務化に消極的なのは、「永田町の論理」にこだわっているからでしょう。

 一方で、公金の使い方に関して「民間企業では許されないことだ」という一言が、説得力をもって語られています。もちろん公金の無駄遣いはやめるべきです。しかし政治や社会に関わる分野を、すべて民間基準で判断する「新自由主義的アプローチ」にも疑問を感じます。短期的に成果が上がらなくとも、公的支出が必要な場合はあります。

山崎さんは、何に使われているかなど文通費の中身の議論が起きていないことを危惧します。記事後半では、茨城県つくば市議で弁護士の川久保皆実さんが、金額の多さや日割り支給すべきだといった議論に終始する文通費問題の違和感を、弁護士で元衆院議員の若狭勝さんが、非課税の100万円を毎月受け取る政治家の「特権」と感覚のマヒについて語ります。

 文通費問題を提起したのは…

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