甘すぎない「文鳥ぱん」じわじわ人気 白文鳥の発祥地、復活めざす

井上昇
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 人なつっこい性格でペットとしても人気の「文鳥」をモチーフにしたパンを、「白文鳥」の発祥地で、かつて文鳥の一大産地だった愛知県弥富市のベーカリーが開発した。SNSでも評判を呼び、じわじわとファンを増やしている。

 「文鳥ぱん」を販売するのは近鉄弥富駅近くにある「こむぎ工房あきらぱん」。カスタードとチョコのクリームを詰めた白焼きパンを重ね、目やくちばしをチョコレートで表現する。もちもちの食感と甘すぎないクリームのバランスが好評で、一つ180円だ。

 発売したのは2018年。白文鳥の繁殖を進める県立佐屋高校(愛西市)の生徒から、文鳥をモチーフにしたパンづくりを提案されたのがきっかけで、オーナーの佐藤晃さん(41)が開発に取り組んだ。

 「味だけでなく見た目にも力を入れた」というかわいいルックスも相まって、1日100個以上売れることもある。季節ごとに使う果物や表情に変化をつけた「限定版」もこれまで7種類作成した。

 そのキュートな姿はSNSで「映える」と評判を呼び、写真には多くの「いいね」がつく。写真を見た「ファン」が県外から訪れることもあるという。

 店の近くに住む秋山由紀子さん(50)は、毎週来店し定期的に購入する。「見た目が愛らしくて子どもが喜ぶ。一つでクリームを2種類味わえ、お得感もある」。近所から他県までファンは増え続けている。

 弥富市は明治時代以降、文鳥の生産者が増え、白文鳥の繁殖に成功するなど「文鳥の町」として知られた。だが後継者不足などで廃業が相次ぎ、生産数は大きく減っている。

 市は「文鳥の復活」をめざし、歴史民俗資料館の「職員」として白文鳥を採用している。市内には文鳥のモニュメントつき電話ボックスもあり、文鳥のPRに力を入れる。

 佐藤さんも弥富文鳥の復活を願う。「文鳥ぱんが、弥富の文鳥を全国に広める一助になればうれしい」(井上昇)