学生服を強制しないで 校則通りに、保護者ら要望「同調圧力の縮図」
中学校の学生服について、着用を事実上強制する「制服」ではなく、着用が義務づけられない「標準服」とする校則通りの運用を徹底してほしいなどとして、福岡県糸島市内の保護者ら約20人でつくる市民グループ「糸島スマイル校則プロジェクト」が20日、市教育委員会に要望書を提出した。
「制服」ではなく「標準服」
要望書によると、市内の中学校は校則で学生服を、着用が望ましいとされる標準服と位置づけている。だが、実際には学校指定の学生服着用を義務づけ、いわば「制服」として事実上強制的に運用している。
このため、保護者は入学時点で冬服、夏服、体操服、靴、バッグなど計約15万円という多額の支出を強いられているという。
グループは市教委に、学生服が標準服であることを生徒や保護者らに周知徹底し、生徒がもし私服を選択してもペナルティーを受けることなく、安心して学校に通える環境を作ってほしいと要望している。
要望書はまた、中学生たちからのヒアリングを元に、自転車通学では学校指定の自転車以外は禁止▽眉毛を整えた生徒に教諭が眉毛ペンで眉を描き入れた▽手の平を開いて爪が見えたら校則違反、といった理不尽な生徒指導や校則が存在していると指摘。校則の見直しなどについて、生徒を中心にした「校則検討委員会」を設けることを各校に指導するよう求めた。
市教委に要望書を手渡したグループ連絡担当のフミヨさんは、昨年次男が中学校入学の際、私服で登校したところ「校則違反だから制服を着てきなさい」ときつく指導され、1カ月間不登校になったという。「同調圧力が強い日本の縮図だと感じた」と話す。
市教委の吉永政博・学校教育課長は「文書で回答します」としている。(鳥居達也)
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- 【視点】
最初にこの記事を読んだとき、私はちょっとモヤッとした読後感を覚えました。 保護者が先に声を上げちゃったら、子どもたち自身が声を上げる機会を奪ってしまわないか……。でも中学生だとそれを期待するのは難しいのかな……。などと思いました。