失業給付の料率アップ、来秋に先送り 月収30万円なら月600円増

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橋本拓樹 山本恭介 吉田貴司
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 来年度の雇用保険料について、政府・与党は、焦点になっていた失業等給付の保険料率の引き上げ時期を当初検討していた来春から来秋に先送りする方針を固めた。働き手らの負担が増えることによる来夏の参院選への影響を心配する声が与党内にあり、政府が配慮した。現在の0・2%から0・6%に上げる方向で最終調整している。

 来年10月以降の雇用保険料の全体は、月収30万円の働き手なら本人分が月900円から1500円に、雇っている企業分が1800円から2550円になる見込み。雇用保険の被保険者の働き手は今秋の時点で約4500万人、雇っている企業などの事業者は約230万カ所に上る。

 雇用保険をめぐっては、雇用対策として企業などに出す雇用調整助成金(雇調金)の支出が膨らんで保険財政が悪化している。これを改善するため、政府は当初、失業等給付の保険料率を来春から引き上げる方向で検討した。

 しかし、働き手などの負担が…

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    磯野真穂
    (人類学者=文化人類学・医療人類学)
    2021年12月21日7時54分 投稿
    【視点】

    >コロナ下の雇用対策として雇用調整助成金の支出が膨らむ一方、それに見合った負担増は、来夏の参院選以降に先送りされた。課題を正面から見据えた議論は持ち越しとなった。 コロナ禍が起こした分断はいろいろありますが、この助成金も残念ながら、そ

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