環境に優しい? 緑化用「在来ヨモギ」、研究者が「怖い」という理由

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杉浦奈実
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 道路脇の斜面(のり面)の土が崩れるのを防ぐには、どんな植物を選ぶべきか。京都大学などのチームが緑化によく使われる「在来種」のヨモギのDNAから種子の「出身地」を探ったところ、環境への配慮が一筋縄ではいかない現状が浮かび上がった。

 のり面の補強や景観向上には、よく根付き繁殖力が強い外来種の植物が重宝される。十数年ほど前の調査では市販の種子の99%近くが外国産だった。一方で、外来種の中には、のり面以外の場所に広がりやすい特性を持ち、周囲の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるものもいる。そのため、特に自然公園の近くなどでは、在来種の種子を使う方がよいとされる。

 全国のヨモギ588個体のDNAの違いを調べると、自生地で採ったヨモギは、大きく東日本、西日本の2タイプに分かれた。一方、緑化地は東日本タイプがほとんどで、他に、自生地でほぼ見られない第3のタイプで占められた場所もあった。第3のタイプは中国産の輸入種子から育てた個体と遺伝的に似ていた。

 ヨモギは、「在来種」での緑化のために、国内の種子をもとに中国で栽培し、逆輸入した種子が出回っている。この種子から育てた個体は遺伝的に東日本タイプに近く、東日本由来の種子が日本全国で、のり面の緑化に使われているとみられた。

 中国産の輸入種子から育てた…

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