コロナ禍で音楽に触れる機会減少 乗り越えて体験会・演奏再開

大野博 平塚学
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 新型コロナウイルスの影響で文化や音楽に触れる機会は県内でも大きく減った。そうした中で宮崎大学では、留学生に和太鼓の体験の場を提供。県警音楽隊は2年ぶりの定期演奏会に向けて練習を重ねている。

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 コロナで勉学以外の体験が限られている留学生たちに向け、宮崎大学の国際連携課は今月、和太鼓の演奏が体験できるイベントを2度にわたり開いた。

 宮崎市出来島町で19日にあった2回目の体験会には、インドネシア、タイ、ミャンマーからの留学生や日本人学生ら計7人が参加。地域のセミプロ団体「ふるさと宮崎 轟(とどろき)太鼓一座」のメンバーから、木の香りが漂う真新しいバチを手渡され、一から手ほどきを受けた。

 最初は腕の力だけで太鼓を打っていた留学生たちだが、練習を重ねるごとに腰が入るようになり、足でリズムをとりながら、ひとつの曲を通しでたたけるところまで上達。締めの演奏は一座の法被をまとい、思い切りバチを振るった。

 国際連携課によると、同大学に在籍する留学生は、学部と大学院を合わせて150人。うち約3分の1はコロナによる出入国の制限などにより、現時点で来日できていないという。

 12日にあった初回の体験会に参加したマレーシア出身のアハマド・アミニン・ビン・マトノルさん(23)は、工学部情報システム工学科の4年生。一昨年の学園祭ではサークルで出店を出し、綿あめづくりも体験。「勉学以外でも宮崎での生活を満喫できていた」と振り返る。だが、昨年からはコロナで一変してしまい、寮と教室を往復する生活に。「せっかく日本に来たのに、この1年半は日本らしさに触れる機会に飢えていた。もともと音楽は大好きで、とても楽しめました」と話した。

 体験会を企画した大学職員の立野幸一さん(44)は11月から、オーストラリアフィリピンの大学とオンラインで結び、「自然災害」「クリスマス」といった具合に、その回ごとに決めたテーマに沿って英語などで意見を交わす催しも始めた。毎週月曜日の昼休みに開催。主に日本人学生向けだが、留学生にも参加を呼びかけている。

 立野さんは「まだ日本から海外への留学はハードルが高いが、国際化への歩みを止めたくはない。これからも感染対策に万全を期しながら、いろいろな企画を立ち上げていきたい」と話している。(大野博)

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 宮崎県警音楽隊も公演やイベント出演の多くが自粛、中止になってきたが、10月に活動を再開した。来年2月5日に2年ぶりに宮崎市で定期演奏会を開く。県民と警察を結ぶ「音の架け橋」になろうと、本番に向けて練習に励んでいる。

 県警音楽隊は戦後間もない1947年8月に全国の警察本部で2番目に発足。現在の隊員は25人で、県警本部や宮崎市内、都城、日南、高鍋、小林の各警察署に所属。年間約40回の公演で演奏を披露してきた。

 だが、コロナ禍で出演は取りやめになり、急拡大した第3波の影響で今年1月に予定していた定期演奏会も中止になった。全体練習は自粛し、5人以下のグループでの練習を続けた。

 遠矢洋行楽長(51)は「クラスターを出して、見てもらう人たちに迷惑をかけるわけにはいかなかった。『活動できる日が来るから』と隊員たちを励まし続けた」と振りかえる。

 演奏会では、刑事ドラマ「西部警察」のテーマ曲など音楽隊の定番に加え、人気ゲーム「ファイナルファンタジー」のメインテーマ、アニメ「鬼滅の刃」メドレーなどを披露する。合間には寸劇や講話も入れ、防犯や交通事故防止という音楽隊の「ミュージックパトロール」という役割も果たすという。

 遠矢楽長は「2年分の思いを込めて、県民に喜んでもらえるような演奏をしたい」と意気込んでいる。

 当日は宮崎市船塚3丁目のメディキット県民文化センターで午後2時に開演。入場無料。事前に往復はがきでの申し込みが必要。今月24日まで(当日消印有効)。申し込み方法など問い合わせは県警音楽隊(0985・31・0110)へ。(平塚学)