「痛い」は禁句 髪を引っ張りあって「ありがとう」言う祭り、今年も

町田正聡
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 神主や氏子の髪を引っ張ることで神を引き寄せて福を招くという「かんまつい(神祭り)」と呼ばれる氏神祭りが16日、鹿児島県南九州市知覧町西元の峯苫(みねとま)集落であった。雨交じりの天気のなか、氏子ら約20人が参加し、笑い声が響いた。

 語り継がれてきた「作法」によると、髪を引っ張るのが許されるのは神主が祝詞(のりと)を上げている間だけ。強く引っ張らないと神様が寄ってこないとされるが、「痛い」は禁句だ。

 集落センターの敷地内にある3畳ほどの小さな社殿で神主が祝詞を上げ始めると、社殿の内や外で氏子らが「ありがとう」「ありがとう」と言い合いながら、神主や年長者にお構いなく髪を引っ張り合った。

 集落で生まれ育った峯苫育子さん(61)は「この祭りが1年の締めくくり。感謝の思いで心が落ち着きます」。4年前に枕崎市から転居してきた立石育郎さん(71)は「慣れない地に引っ越してきて最初は不安だったが、祭りに参加して親しみを感じ、地元に溶け込めました」と笑顔を見せた。(町田正聡)