2年ごとなら収入5千億円増 サッカーW杯、隔年開催時の見込み発表

ロンドン=遠田寛生
[PR]

 国際サッカー連盟(FIFA)は20日、男女サッカーのワールドカップ(W杯)を現行の4年から2年に1度開催した場合、最初の4年間で44億米ドル(約5016億円)の収入が見込めるという調査報告を発表した。

 オンラインで行われた「グローバルサミット」でジャンニ・インファンティノ会長は、加盟している世界の全211協会にとって有意義な結果になることを強調し、「誰も傷つけることなく、全員が利益を得られる」と自信を語った。

 各大陸連盟の格差改善などを理由に、FIFAは隔年での開催が可能かを話し合ってきた。

 調査会社ニールセンなどに採算性の調査を依頼したところ、収入が44億ドルも増える見込みを伝えられたという。

 しかも分配する「連帯金」は大幅に増える。

 各協会が受け取る金額は、現状は4年間で600万ドル(約6億8400万円)。隔年開催にすれば、同じ4年間に、最大で4倍以上となる2500万ドル(約28億5千万円)に跳ね上がるとしている。

 それだけではない。男子大会を2年に1度に短縮した場合、「16年間のGDP(国内総生産)は1800億ドル(約20兆5200億円)以上に増え、新たに200万人の雇用をつくり出せる」という報告も上がった。

 FIFAがこれほどまでに数字を打ち出すのは、反対意見が多く飛び交っているからだ。

 現行の国際試合の日程は、女子が2023年、男子が24年まで決まっている。早ければ次のタイミングで、以降の日程が隔年開催に変更されることも考えられるが、強豪がひしめく欧州サッカー連盟(UEFA)や南米サッカー連盟は、実現した場合は大会をボイコットする可能性を示唆している。

 インファンティノ会長が委員として所属する国際オリンピック委員会(IOC)も変更に強い懸念を示す。隔年開催になれば、夏季オリンピック(五輪)と時期が重なるためだ。

 それぞれの大会への注目度は下がり、放映権料やスポンサー料などで打撃を受ける可能性は否めない。

 IOCからの分配金を期待している一部の各国際競技団体にとっては、収入減は死活問題にもなる。

 IOCは今後の状況を見守っていくとしているが、夏季五輪の妨げになるようなことになれば、トーマス・バッハ会長は、FIFAに対して、「様々なことを検討していかなければならない」と、処分をも辞さない構えを見せている。

 今回、FIFAの会議では決議は行われなかった。情報提供のみで、インファンティノ会長は判断時期の明言はしなかった。

 来年3月の総会で判断する可能性はあるが、「必要なだけ時間をかける」と話すにとどめた。まずは来年初旬に各協会との話し合いの場を設けるという。

 それでも、「もし明日投票を行ったとしたら、過半数は賛成してくれると思う」と強気な姿勢は崩していない。そして全ての関係団体が折り合えるよう、話し合いを進めていくことを強調した。

 「私や我々は誰の敵にもなろうとはしていない。全てはサッカーをよくするため。若い次世代に今後もずっと関心を持ってもらえるために動いていかなければならない」(ロンドン=遠田寛生)