「こども家庭庁」設置方針は決まっても財源が…安定的な確保見えず

久永隆一
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 「こども家庭庁」を2023年度につくるといった政府の子ども政策の基本方針が21日、閣議決定された。子ども政策の司令塔となる新組織は、土壇場で「こども庁」から名称が変更された。子どもの視点を重視する「こどもまんなか」の理念の実現をうたうが、肝心の政策の裏づけとなる安定的な財源は確保されておらず、課題も多い。

 こども家庭庁は、首相の直属機関として内閣府の外局にする。専任大臣を置き、ほかの省庁への勧告権を持つ。年明けの通常国会に関連法案を提出し、職員200人を上回る規模での発足を目指す。

 菅義偉前首相の政権下で、これまで複数の省庁でバラバラに担当してきた子ども政策の縦割りを打破するとして持ち上がった構想だった。児童虐待や子どもの貧困といった、厚生労働省や内閣府が担う福祉分野は一括して、こども家庭庁に移すことになった。

 一方、文部科学省が受けもつ教育分野の調整は難航。幼稚園は今のまま文科省に残すものの、教育内容についてはこども家庭庁と協議する。重大ないじめに関しても、両者で情報共有して共同で対策を講じる。

 政府が12月初めに与党に示した原案では、組織の名称は「こども庁」とされていた。自民党内には「こども庁」を主張する議員もいたが、政府と与党の事前調整の結果、「家庭」の2文字が加えられた。

 公明党や一部の自民議員は支援対象に保護者を含む家庭とすべきだと主張。これとは別に、自民内の保守派とされる議員からも、家庭養育を重視する立場で「家庭」を入れるべきだという意見があった。

 ただ、こども家庭庁の政策実現に必要な財源は「確保に努めていく」とし、今後の検討に委ねられた状態だ。企業を含む幅広い負担の枠組みも想定されるが、具体策は見えていない。(久永隆一)