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夫婦で感染、入院で離ればなれに… 子どもたちの「やさしいうそ」

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前田朱莉亜
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 今年8月、東京都に住む70代の夫婦が新型コロナウイルスに感染しました。当時は全国で連日1万~2万人の感染が確認されていた「第5波」のさなか。夫の入院を見届けたものの、その後に感染が分かった妻の病院はなかなか見つかりませんでした。なんとか入院し、約1カ月後に退院した妻が子どもたちから告げられたのは、思いもよらない事実でした。

「おふくろ、ごめん」 長男は手を握り…

 9月半ば。室伏渉(わたる)さん(49)は、約1カ月の闘病生活を終えて退院した母・節子さん(77)を、弟の健(けん)さん(42)とともに迎えた。父親の博(ひろし)さんが待つ自宅に向かう車の中、運転する渉さんは、後部座席の健さんとバックミラー越しに何度も目を合わせ、心の中で話しかけた。

 (いつ言う?)

 博さんのことは渉さんから伝えると、事前にきょうだいで話し合って決めていた。「お手洗いに行く」と健さんが車を降り、車内にふたりきりになると、隣に座る節子さんの手を握って口を開いた。

 「おふくろ、ごめん。うそをついていたんだ。おやじ、8月29日に亡くなったんだ」

 車に戻ってきた健さんは節子…

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