35歳のチリ次期大統領、清新さ期待 地方出身、学生運動から議員に
ガブリエル・ボリッチさん(35) チリの次期大統領
南部マガジャネス州プンタアレナス出身。名門のチリ大学法学部に進学し、学費無償化などを訴える学生運動を率い、頭角を現した。卒業試験を受けず、27歳でチリ学生連盟会長から、下院議員に転身した。
議会にはノーネクタイで登院し、「議会への敬意が足りない」と批判されると、頭髪をモヒカン風に刈り上げた。大統領選が始まると、七三分けのスーツ姿に。右派からは「左派の本心を隠している」と揶揄(やゆ)され、急進的な左派からは「裏切り」の象徴のように言われた。
見た目は変わっても、「人権が尊重される国にする」という理想は変わらなかった。
パートナーは2年半前から交際を続けるフェミニズム活動家のイリナ・カラマノス氏(32)。夫婦そろって戦うのが通例の選挙戦で、カラマノス氏はほとんど姿を見せず、インスタグラムのアカウントは「非公開」。2人は「独立した人格」との立場を貫いた。
年齢が若い、「名家」ではない地方の出身、大卒ではない、働いた経験も閣僚などの政治的なキャリアもない、結婚していない、子どもがいない――。「大統領には適さない」との声にさらされたが、チリ史上、最年少の大統領候補は、その新しさゆえに、既存の政治の変革を求める人々の期待を集めた。(サンティアゴ=岡田玄)
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