看護・介護の賃上げ、いつもの報酬制度頼り 「抜本的見直し」どこへ

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石川友恵
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 岸田文雄首相が掲げた看護や介護職員の賃上げをめぐる、年内の議論が終結した。首相は10月の所信表明演説で、引き上げに向けて「公的価格(政府が決めるサービス価格)のあり方を抜本的に見直す」と述べたが、実際には診療報酬介護報酬の改定といった従来の仕組みで対応する方針だ。看板政策と位置づけながらも、新たに財源を振り分けようとはせず、国民負担が増える可能性のある手法に頼ることになった。

 看護や介護などのサービスの価格は政府が決める「公的価格」とされる。民間の賃上げを議論する春闘に先立ち「3%」の引き上げをすることで、企業に波及させるねらいがある。補正予算での対応が始まる来年2月から介護職員は月9千円程度引き上げる。看護職員はコロナ対応などにあたる一部の病院に勤務する人たちについて、段階的にまずは1%(月4千円程度)、来年10月以降は3%増(月1万2千円程度)とする見込みだ。

 ただ、官邸のトップダウンで先に「3%の賃上げありき」が示された一方で、その方法については政府に事実上、丸投げされた。政策の具体化を担う厚生労働省の幹部は「財源はどこにあるんですかね」とぼやいてみせた。

 政策決定にあたる政府・与党の関係者は次第に「(診療・介護の)報酬制度を使うしかない」と口をそろえるようになった。来夏に予定される参院選前に成果を出すことをにらみ、今年10月の政権発足から年末の予算編成までの短期間での議論を強いられたという事情もあり、ほかに財源が検討された形跡は乏しい。

 介護職員の場合、活用される…

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