TSMCの工場誘致、半導体復活「最後の好機」 難しい巻き返し戦略

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編集委員・堀篭俊材
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 世界的な半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)が、日本に初めての工場をソニーグループと一緒に熊本県菊陽町につくる。政府が巨額の支援をするが、国内の半導体産業の復活につなげるのは容易ではない。

 熊本市中心部から東へ車で約30分、そばにキャベツ畑が広がる工業団地の一角に工場の予定地約21ヘクタールがある。ソニーの半導体子会社の工場に隣接し、半導体製造装置大手の東京エレクトロンの工場も近くにある。

 「半導体の一大供給基地に熊本がなれれば経済効果ははかりしれない」。地元企業約300社でつくる熊本県工業連合会の田中稔彦会長は期待する。田中氏は移動棚製造会社の金剛(熊本市)の社長だ。輸入している半導体が不足し、一部製品は納期が遅れた。「半導体のありがたみを身にしみて感じた」という。

 半導体は国内需要の6割を輸入に頼り、輸入先の国・地域別では台湾が最も多い。政府がTSMCの工場に約4千億円の支援をするのは、国内産の半導体を増やすためだ。新工場は2024年の稼働をめざし、ソニーなどに供給する。約1500人を雇う予定で、人手の確保が課題だ。

 国や熊本県は、熊本大学や県立技術短期大学校などと連携し、人材育成に乗り出す。TSMCとソニーの合弁会社は今月発足したばかりで、県企業立地課は「どんな人材が必要なのかまだわからない」という。

 期待は地元だけではない。電…

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