捕鯨母船、下関で新造 24年に完成予定

水田道雄
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 【山口】老朽化している捕鯨母船「日新丸」の後継船について、船を所有する共同船舶(東京)は21日、新母船を下関市の旭洋造船で建造すると発表した。2024年に完成し、この年から操業を始める予定。

 日新丸は現在、広島県尾道市の因島が母港。一方、下関市は2019年に31年ぶりに再開された商業捕鯨で、母船式捕鯨の基地と位置づけられている。下関市は後継船を市内で建造してもらい、母港化を実現しようと先月、山口県とともに共同船舶に要望していた。

 下関市と県は「基地と母港との一体的、効率的運用」を目的にした市内への事業拠点の設置も求めていたが、共同船舶は出張所を設置する方向で検討する。担当者は「まずは新船を建造するにあたっての地元の足場という位置づけだ」としている。

 共同船舶によると、新船は全長112・6メートル、総トン数約8970トンの電気推進船で、航続距離は南極海への到達が可能な約1万3千キロ。将来のナガスクジラの捕獲を見据え、70トン級の大型のクジラを引き揚げることが可能だという。来年2月に旭洋造船と本契約を締結し、同年9月に着工、23年11月に進水させる予定。

 17日に共同船舶から連絡を受けたという前田晋太郎市長は21日、市内で報道陣の取材に応じ、「長年の悲願で、下関市が遠洋捕鯨の拠点、近代捕鯨発祥の地として関係者から認められた結果だ。今後も商業捕鯨を持続的に支える策を、国や県と協議し検討したい」と話した。(水田道雄)