「恋です!」シナリオは何度も変更 支えた盲学校教職員、体験伝える

有料記事

進藤健一
[PR]

 盲学校に通う弱視の女の子と、けんか上等だけど根はまっすぐなヤンキーとの恋愛を描き、今秋放映されたテレビドラマ「恋です! ヤンキー君と白杖(はくじょう)ガール」(日本テレビ系)は、見えづらい人の日常を視聴者に伝えたことで注目を集めた。ロケ地になった横浜市立盲特別支援学校神奈川区)の教職員らが台本段階から深く関わったことが、リアルな描写を生んだという。

 「盲学校というとみんなが『全盲』と思われがちですが、ものが見えにくいという生徒も多い。テレビ局から協力要請があったとき、こうした弱視にスポットが当たり、理解が少しでも深まれば、と願って引き受けました」と長尾一校長は話す。

 ドラマで同校は、主人公の赤座ユキコ(杉咲花さん)や紫村空(田辺桃子さん)たちが通う盲学校として登場。実際の教室や図書室が撮影で使われた。

 学校での撮影を前にした8月には、杉咲さんら高校生役の3人を、役作りの準備のために3回にわたり受け入れた。弱視といっても見え方はさまざま。光と色がぼんやりわかるユキコ役の杉咲さんには不透明のクリアファイル2枚を重ねて見せ、視野が狭い空役の田辺さんにはラップの芯からのぞくことで、弱視の見え方を実感してもらったという。

 教職員にも全盲や弱視の人がいる。台本も準備段階から教職員全員が読み込み、日頃の体験をもとにアドバイス。「リアリティーを追求したい」。ディレクターらの強い思いもあって、シナリオが変更されることが何度もあった。

 例えばユキコとヤンキーの黒川森生(杉野遥亮さん)が出会う場面。原作のマンガでは、点字ブロックの上をかっぽする森生に対し、ユキコが白杖を武器にして抗議するが、学校側の「あり得ない使い方」という意見を聞き入れてもらった。ドラマでは、白杖をつかまれたユキコが思わず脚を振り上げると、森生の股間にヒットしてしまう描写に変更された。

 教職員らの実体験をヒントに、横断歩道を赤信号で渡ってしまう人につられて全盲の生徒が道に飛び出し、危うく車にひかれそうになるシーンも加わった。

「ドラマのおかげかな」通勤中に反響も

 「恋です!」の放送に合わせ…

この記事は有料記事です。残り484文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません