エリザベス女王が唯一、2度訪れたレストラン 選んだのはお手頃な…

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ロンドン=国末憲人
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エリザベス女王が2度訪れたフランス料理店「ベラミーズ」=2021年11月11日、ロンドンのメイフェア地区、国末憲人撮影
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 女王陛下はどんな料理を召し上がったのだろうか。ロンドンのフランス料理店「ベラミーズ」を訪ねようと思い立ったのは、そのような単純な好奇心からだった。

 貧富の格差が激しい街ロンドンで、最も高級でスノッブなのが、中心部のメイフェア地区。高級ブランド店やクラシックカーの展示場などが軒を並べ、世界の王侯貴族、映画スターやセレブ、大金持ちや成り金長者が集う。われわれサラリーマンには近寄りがたい一帯だ。

 その真ん中にある「ベラミーズ」は、基本的に外食をしないエリザベス女王(95)が唯一、2度訪問し、私的な夕食を楽しんだレストランとして知られている。

 秋も深まった2021年11月下旬、ここを訪ねた。

地球を食べる

たまのごちそう、いつもの食卓。世界の「食」を訪ねたら、各地の文化が見えてきました。

 場所が場所だけに、さぞかし堅苦しいところだろうと覚悟するが、行ってみるとそうでもない。華やかな表通りから一歩入ったごく平凡な路地に面し、店構えも派手ではない。むしろ、若者に受けそうな少しかわいいつくり。高級レストランというより、気軽に入れるビストロの雰囲気だ。

 店内は2部屋に分かれ、入ってすぐのところに、ワイングラスを傾けながら談笑できるカウンター席がある。その奥はダイニングスペースだが、ここにもカウンターが設けられ、食前食後に1杯ひっかけられる。つまり、気負いなく飲んで食べられる店なのだ。

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「ベラミーズ」のダイニングスペースにあるカウンター。色彩が明るい=2021年11月19日、ロンドン、国末憲人撮影

 女王がここを初めて訪問したのは06年。自らの80歳の誕生祝いだったという。16年には、長女のアン王女(71)、いとこのアレクサンドラ王女(84)とともに再訪した。

 ▼前菜 燻製(くんせい)うなぎのムース、セブルーガ・キャビア25グラム付き

 ▼メイン ウズラのロースト

 当時の報道に残る女王の選択は、以上のようなものだった。

うなぎのムースは黄金色

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エリザベス女王が食べたという「燻製(くんせい)うなぎのムース」

 女王と同じものを注文しようと意気込んでテーブルに着く。メニューを眺めると、前菜として「燻製うなぎのムース」がさっそく目に入る。12・5ポンド。現在のレートだと2千円弱だが、ロンドンの物価を勘案すると千円程度の感覚だろうか。少しほっとする。注文を受けるスタッフも「なかなかいいものを選びましたね」と、お世辞を言ってくれる。

 もっとも、付属のキャビアは…

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