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コロナ2年、「敗北」後にめざす社会は? かぜになるのは10年後か

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聞き手 編集委員・辻外記子
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 新型コロナウイルス感染症が確認されて2年。流行は繰り返され、また新たな変異ウイルスの脅威が増している。このウイルスは、私たちの生活にどんな変化をもたらし、今後どうなっていくのか。人類と感染症の歴史に詳しい、長崎大熱帯医学研究所の山本太郎教授(57)に聞いた。

 ――2億7千万人を超す新型コロナの感染者が、世界で確認されています。

 人の活動域が広がり、野生動物のテリトリーにずかずかと入り込む機会が増えました。野生動物の生息域を奪い、ウイルスが人に感染する確率を上げていました。

 そして狭くなった地球が、人から人へと流行を広げました。人の往来が増え、グローバル化が進んだことが拍車をかけたのです。

 新型コロナは、ロンドンやニューヨーク、東京といった巨大都市で大流行しました。人口密度が高く通勤時間も長い。必然です。

都市を忌避する「分断」

 情報を発信する大都市はこれまで、多くの人の羨望(せんぼう)の的でした。しかし、コロナでかつてない現象が起きました。

 ――どういうことですか。

 東京ナンバーの車が地方都市にいると「なんでいるの?」。都市部から地方に人がくるというと「えっ」となる。

 都市部の人が、ウイルスをもったやっかいな人として忌避される。新たな分断を生みました。

 ――国内でも入院すべきなのにできない、医療崩壊と呼ばれる事態がおきました。

医療関係者の敗北

 コロナへの感染は、一定の確率でおきるので、感染自体は避けられない場合もあるでしょう。しかし本来、受けられたはずの医療を受けられずに亡くなるのは人災です。

 欧米と比べて、人口あたりの感染者や死者数が少ないと言われますが、それとは別の次元の話で、誇れる状況ではありません。

 残された遺族には、「寿命をまっとうできなかったのではないか」という後悔が残る。

 医療者にとっても痛恨です。

 入院させられない。どの患者…

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