第1回電気代200円だった記者が、八ケ岳に築40年の古家を買ったわけ

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斎藤健一郎
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 SDGsもカーボンニュートラルもじぶんごと。誰もが当たり前に使っている電力会社の電気やガス、灯油といったライフラインを自ら断って、太陽光、太陽熱、薪の再生可能エネルギーで暮らしを成り立たせることはできないか。

 「再エネは不安定で無理だろう」「不便な暮らしに逆戻りするのか?」。そんな声をいったん受け流し、エコハウスをつくってみよう。エネルギー100%自給、二酸化炭素排出ゼロを目標に、いま、自分がやれることを、やりすぎるほどやってみる。旗を掲げると、「おもしろい」「やってみよう」と得意技を携えた多士済々も各地から集まってきた。

 2012年に「5アンペア生活」の節電道に踏み入ってからもうすぐ10年。八ケ岳南麓(なんろく)で真剣に、楽しく、時にちょっと苦しみながら記者自身が家づくりに挑む4年越しのエコハウス「ほくほく」プロジェクトの話です。

 かつて、これだけ気持ちのいい風呂に入ったことがあっただろうか。きっと、あったのだろう。北海道から沖縄まで、名湯、秘湯、たくさんの湯につかっている。なのに、いま、ひざを抱えなくては入れないくらい小さいユニットバスで体を折りながら、声がもれる。「あー、最高だよ」

 全身を包み込む湯はどこまでもやわらかく、やさしい、ような気がしてならない。これまで入ってきたどの風呂とも明らかに違う点があるからだ。それは浴槽を満たしているのが、灯油やプロパンガス、都市ガスといった化石燃料ではなく、太陽の力があたためた湯ということ。「太陽熱温水器」が設置されて、初の入浴を果たしたのだ。

 敷地の入り口に設置された温水器は太陽の熱を集め、冷たい水をじんわりあたためる。日射さえよければ、湯温は100度近くまで上がることもある。エコハウス「ほくほく」が理想の形に近づいていく。気分爽快。ここまでの10年が思い出される。

筆者は東日本大震災で被災。その後、東京に引っ越して電気契約を5アンペアに下げ、超節電の道を歩みはじめます。節電初心者ながらさまざまな工夫を繰り出し、4千円ほどだった月の電気代は200円を切り、170円になりました。どんな実践をしたのでしょうか。

東京勤務、だけれど八ケ岳のふもとに初のマイホーム

 30歳を前に、テレビディレ…

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    清川卓史
    (朝日新聞編集委員=社会保障、貧困など)
    2021年12月27日14時57分 投稿

    【視点】「5アンペア生活」の記事を斎藤記者が最初に生活面に書いたとき、私はたまたま担当のデスクでした。あれから10年近い年月が流れて、今回は八ケ岳のふもとでエコハウスづくり。やわらかなタッチの文章の底流に、原発事故への変わらぬ、強い思いがあるのを感