大阪市北区で起きた放火殺人事件で、現場となった雑居ビル内の心療内科クリニックは、日中に働く人たちが夜間に通うことができ、予約なしでも当日受診できる数少ない場所だった。通院していた600人以上の患者たちが通院先を失う中、受け入れ支援に乗り出す動きが始まっている。
「残業で遅くなっても、安心して通えた」
事件から2日後の19日、現場となった「西梅田こころとからだのクリニック」が入る雑居ビル前で、大阪市東淀川区の40代の男性がスポーツ飲料と花束を供え、合掌した。
このクリニックには昨年4月から通っていた。事件当日の夜も、仕事の悩みなどを話し合う「リワークプログラム」に参加する予定だった。毎週金曜、仕事が終わった後の午後7時半から4~8人が集まって、院長の助言も受けていた。
「心のよりどころだった」
「僕にとって安らげる場所で、心のよりどころだった。なくなってつらい」
2週間に1回、薬を処方してもらっていたが、切らすとしんどくなる。事件後、急いで新しい病院を探したが、職場から遠いところしか見つからなかった。
ホームページによるとクリニ…