女性皇族は結婚しても「皇族のまま」 皇位継承は先送り 有識者会議

安倍龍太郎

 安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議(座長=清家篤・元慶応義塾長)は22日、報告書をまとめ、岸田文雄首相に提出した。皇位継承策については示さず、皇族数の確保が喫緊の課題だとして、①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する、②旧宮家の男系男子が養子として皇族復帰する――の2案の検討を求めた。政府は今後、報告書の内容を国会に報告する。

 ①について、有識者会議が7月に整理した案では、女性皇族は結婚後も「皇族の身分を保持することを可能とする」としていた。最終報告では「保持することとする」と表現を改めた。ただ、現在の女性皇族については「現行制度下で人生を過ごされてきたことに十分留意する必要がある」とも記した。

 ②は、皇室典範で皇族には認められていない養子縁組を可能にして、1947年に皇籍を離脱した旧11宮家にルーツのある男系男子に皇族に復帰してもらう案だ。養子となって皇族になった人は「皇位継承資格を持たないこととすることが考えられる」と併記した。①、②で十分な皇族数を確保できない場合に、法律で旧宮家の男系男子を直接皇族にする案も示した。

 現在、次世代を担う皇位継承者は秋篠宮さまの長男、悠仁さま(15)のみ。報告書は、悠仁さま以降の皇位継承は「機が熟していない」として、悠仁さまの年齢や結婚をめぐる状況を踏まえて、将来議論すべきだとした。皇族数を維持して、公的活動を維持したり、天皇の負担を軽減したりすることに主眼が置かれた。女性・女系天皇の是非などには触れなかった。

 報告書を受け取った岸田首相は「国家の基本に関する極めて重要かつ難しい事柄について、大変バランスの取れた議論をしていただいた」と述べた。

 会議は2017年に国会が天皇退位の特例法を制定した際、安定的な皇位継承を確保するための諸課題や女性宮家の創設などを検討・報告するよう付帯決議で求めたことを受けて、今年3月に政府が設置した。(安倍龍太郎)

報告書が示した皇族数確保策(要旨)

①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する

・子は皇位継承資格を持たず、配偶者も一般国民

・現在の女性皇族には十分留意する

②旧宮家の男系男子が養子になり皇族に復帰する

・旧11宮家の子孫を想定

・皇位継承資格は持たない

③旧宮家の男系男子を法律で直接皇族にする

・①と②で皇族数を確保できない場合に検討する