民放TVのネット同時配信開始 課題山積でも「このままではじり貧」

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宮田裕介、野城千穂、上田真由美
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 若者を中心にテレビ離れが言われる中、スマートフォンやパソコンで地上波の放送と同じ番組を見ることができる「同時配信」を在京民放キー局が相次いで始める。電波で届く放送とインターネットを介した通信の境目が薄れる中、ネット視聴者確保のために、多くの課題を残しつつも「先行投資」に踏みだした。

 水曜日の夜、日本テレビ系の人気番組「有吉の壁」がテレビ画面より35秒ほど遅れてスマホの画面に流れる。10月から始まった「日テレ系ライブ配信」だ。民放共通の配信プラットフォーム「TVer(ティーバー)」で、夜のバラエティーやドラマの多くを対象に連日、無料で同時配信している。

 ほかのキー局も相次いで来年1月までに同時配信を始めると発表した。TVerの視聴用アプリのシステム開発の遅延で遅れる可能性があるものの、5局の同時配信が出そろう見通しだ。

 カーナビや携帯電話などで地上デジタル放送が見られる「ワンセグ」は放送波を利用したサービスだが、大きな画面で見ると画質の粗さが目立った。これに対して同時配信はインターネット通信を使う。現在は放送より30秒ほど遅れるが、スマホの電波がつながる場所なら、放送波が届きにくい屋内や地下でも見られる。

 総務省が先月から始めた「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」でも、出席者から「放送がこれまでの枠にとらわれていては視聴者の様々なニーズに応えることができない」「消費者から見た時に、放送と通信の境というのはだいぶ溶けてきている」といった発言が相次いだ。

「収益はまだ」それでも

 とはいえ、同時配信の普及には課題も多い。

 スマホ中心の若い世代にも、ドラマの見逃し配信はTVerなどで定着してきた。一方、人気スポーツなど生中継に強みがある番組以外で同時配信に需要があるのかは疑問符がつく。

 同時配信が始まって2カ月余…

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