海外会社を使い脱税容疑 不動産会社ら告発 税理士グループが指南か

松浦祥子、浪間新太、堀之内健史
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 海外にある会社に経費名目で送金し、法人税など計約6600万円を脱税したとして、大阪国税局は22日、大阪市の不動産会社2社と元社長2人を法人税法違反などの容疑で大阪地検に告発したと発表した。関係者によると、元社長らは脱税を認め、「税理士から指南された」という趣旨の説明をしているという。特捜部は、海外在住の税理士らのグループが脱税行為を指南していたとみて、実態解明を進める。

 告発されたのは、いずれも大阪市内の不動産会社「For Realize」と岸洋嗣元社長(47)=大阪府吹田市=、「レオン都市開発」と北尾龍典元社長(47)=大阪市中央区。岸元社長は既に同罪で在宅起訴されており、特捜部は近く北尾元社長らも在宅起訴する方針。

 関係者によると、2人は2016年までの3事業年度、タックスヘイブン租税回避地)として知られるシンガポールやサモアの会社に、研修費や調査費などの経費名目で資金を送金し、計約2億円の所得を隠していた疑いがある。

 2人は、送金した額の8~9割を、シンガポールなどの会社から、さらに別会社を経由し、自身らがセーシェルやベリーズに設立したペーパーカンパニーに移動。現金で引き出すなどした上で、国内に持ち帰って保管したり、高級腕時計や貴金属の購入などにあてたりしていたという。

 2人に脱税行為を勧めたとして、大阪国税局は22日、東京都経営コンサルタント会社の池田和弘社長(42)=東京都品川区=と伊藤哲次元役員(48)も、同じ容疑で地検に告発した。池田社長らは2人にペーパーカンパニーの設立などを助言。国内から海外の会社に送金した額の1~2割を「手数料」として受け取っていたという。

 特捜部は、こうした脱税の構図を海外在住の税理士が主導し、少なくとも10社以上に指南していたとみて調べている。

 不動産会社2社は取材に対し、いずれも修正申告を済ませたとした上で「国税当局の指導を真摯(しんし)に受け止める」などとしている。(松浦祥子、浪間新太、堀之内健史)

 朝日新聞の取材に対して、「For Realize」は、「大変ご心配をおかけして申し訳ない。会社として修正申告・納税を済ませた。今後、指導して頂いたことを真摯(しんし)に受け止め、誠心誠意、信頼回復に努めていく」とした。

 「レオン都市開発」は、「お客様・関係者の皆様には、ご心配ご迷惑をおかけすることについて、誠に申し訳なく心よりおわび申し上げる。国税当局の指導を真摯に受け止め、今後このようなことが二度と無いように誠心誠意努める。既に修正申告を行い、納税は済ませている」とコメントした。