世界初、バッテリーのみの電気推進タンカー 電池はEV100台分

多知川節子
[PR]

 バッテリーのみで航行できる世界初の電気推進タンカーが22日、香川県丸亀市でお披露目された。航行時に排出する二酸化炭素やばい煙がゼロとなり、環境負荷を低減できるという。

 丸亀市の造船会社興亜産業が建造した。船主は東京の旭タンカーで、総トン数は499トン(全長62メートル、全幅10・3メートル、深さ4・7メートル)。「あさひ」と命名され、この日は市内の園児ら約200人が見守るなか、進水式があった。

 従来の船はスクリューをディーゼルエンジンで回して動く。興亜産業によると、発電機を搭載した電気推進船はすでに実用化しているが、「あさひ」は電気自動車100台分に相当する大容量リチウムイオン電池が、モーターなどの電気推進システムを動かす。エンジンや発電機がないため騒音や振動も抑えられる。

 旭タンカーなどによると、基地となる川崎港(神奈川県)で再生可能エネルギーをもとに充電する予定。10時間のフル充電で150~180キロ航行できる。3月下旬に引き渡され、外航貨物船への給油船として東京湾で就航する。

 興亜産業の新田康彦技術部次長は「カーボンニュートラルが求められる時代に、世界初の電気推進タンカーを手がけられたのは光栄。船員のなり手不足も深刻なため、労務環境の改善にもつなげたい」と話した。(多知川節子)