広がる格差、一極集中に危機感も 高校選手権100回目のキックオフ

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照屋健、潮智史、辻隆徳
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高校サッカー考~100回目のキックオフ~(上)

 「『打倒青森山田』って目の色変えて選手権に向かってくる。どれだけ研究されるか考えると……。毎年、鳥肌が立つよ」

 11月下旬。青森山田高校サッカー部の監督、黒田剛(51)は言った。

 今年度は全国高校総体、高円宮杯プレミアリーグイーストを制し、すでに2冠を達成。ここ5年で全国高校選手権決勝に4度進むなど、第100回大会でも有力な優勝候補だ。

 「Jリーグのユースに比べたら、エリートが集まってくるわけではない」。Jクラブから高校を選択するケースもあるが、多くはプロ入りへの道が厳しいと感じた選手たち。主力の半分以上は青森山田中出身だ。

 「中学で勝てなくても、高校の3年間を合わせて伸ばし、Jユースとも拮抗(きっこう)できる力をつけていくのが我々のやり方」という。

 中学年代を合わせて6年をかけた「中高一貫」は選手権を勝ち上がる最近のトレンドだ。

 第98回大会の4強は、中等部を持つ青森山田、静岡学園と、地元に作った中学生年代の街クラブを選手の供給源にする矢板中央(栃木)、帝京長岡(新潟)が占めた。同様の取り組みは私立を中心に全国に広がりつつある。

 「昔は小学校を回って、選手に声をかけたこともあったよ」と黒田は言う。

 地方の私学の経営は厳しい。東京から700キロの地で、約20年前に中学の監督を始めたころはサッカー部は1~2人。知り合いのつてをたどり、小学生の大会に足を運んでも「青森は遠い」と断られた。

 現在は、日本代表の柴崎岳(29)のように中学時代から高校の試合に飛び級できるメリットが伝わり、青森山田で能力を伸ばしたいと小学生が集まるようになった。

「1強独占」への危機感

  青森山田は県の選手権予選では25連覇と負け知らずだが、1強独占の状況に警鐘を鳴らす声もある。

 「選手権は、一部の特殊な学校だけのものになってしまうのではないか」

 そう語るのが流通経大柏(千…

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