生乳消費を応援 ホットミルク半額、新商品も コンビニなどが対策

山下裕志、佐藤英彬
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 牛乳や乳製品の原料となる生乳の需要が減少し、大量廃棄される恐れが出ている中、コンビニやスーパーなどで消費を促す取り組みが相次いでいる。メーカーも国産生乳を使った商品を新たに売り出し、消費者にアピールしたい考えだ。

 酪農・乳業の業界団体「Jミルク」によると、年末年始に廃棄の可能性があるのは約5千トンにのぼる。新型コロナウイルスの影響で飲食店など外食需要が落ち込み、冬休みで学校給食の利用も見込めないことなどが原因とされる。金子原二郎・農林水産相や岸田文雄首相も危機感を募らせ、21日までに会見で消費を呼びかけた。

 こうした国の動きを踏まえ、ローソンは今月31日と来年1月1日の計2日、全国の約1万4千店余りの店舗で、店内カウンターのホットミルクを通常価格から半額の65円(税込み)で販売することを決めた。

 同社によると、昨年3月に同様の取り組みを企画した際、2週間弱で150万杯を販売した。広報担当者は「初詣などの外出のタイミングで、温かい飲み物にニーズがある年末年始に設定した」と説明する。

 セブン―イレブンも25日から1月5日まで、自主企画商品の牛乳(1リットル)を20円引きにする。ファミリーマートも今月28日から、店内カウンターで販売するカフェラテに利用できる30円の割引クーポンを発行する予定。

 食品スーパーのイトーヨーカドーは、対象の牛乳とハウス食品のデザート「フルーチェ」を同時購入した場合、30円引きにする。「飲用以外の消費の方法を売り場で提案したかった」と広報担当者。今月25日~1月3日、全国の129店で実施する方針だ。

 大手乳業メーカーも、乳製品の消費を増やす取り組みに乗り出す。

 明治は、すべて国産の生乳を使ったチーズ4種類を13日から全国のスーパーなどで販売している。来年1月までの期間限定で、「明治北海道十勝モッツァレラチーズ(カット)」(80グラム)の希望小売価格は税込み497円。ほかに「チェダー」「ゴーダ」「パルメザン」をそろえた。

 酪農家による生乳の廃棄を防ぐため、明治は普段のこの時期よりも乳製品の製造を増やしている。広報担当者は「工場をフル稼働し、在庫は持てるだけ持っている。消費者に食べて頂くことで、乳製品の『出口』を増やしていきたい」と話す。従業員にも、乳製品の消費拡大に向けた取り組みを呼びかけるという。

 牛乳を活用した料理のPRにも力を入れる。自社のウェブサイトで、料理研究家の浜内千波さんが考案した鍋料理のレシピを紹介する。同業の雪印メグミルクも自社サイトで、牛乳を使った茶わん蒸しやパスタ、麻婆(マーボー)豆腐などのレシピが人目を引くように特集した。森永乳業も得意先の洋菓子店に対し、「バターサンド」のレシピを紹介してお店の商品に加えてもらえるよう提案している。(山下裕志、佐藤英彬)