ビル放火容疑者、受診装い院内確認か 受付の死角にガソリン入り紙袋

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 大阪市北区の雑居ビル内のクリニックで17日に発生し、25人が死亡した放火殺人事件で、容疑者の男が来院後にガソリン入りの紙袋を置いたのは、受付から死角になる位置だったことが分かった。男は靴を脱ぎ、受け付けも済ませていた。大阪府警は男が受診を装い、内部の様子をうかがってから放火に及んだとみている。

 男は住所、職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)。事件の様子がクリニック内の防犯カメラに映っていた。

 府警によると、谷本容疑者とみられる男は17日午前10時15分ごろ、ビル4階のクリニックにエレベーターで来院。両手に持っていた二つの紙袋を床に置き、靴を脱いで受付カウンターに向かった。

 紙袋にはガソリンを入れた容器が入っていた。捜査関係者によると、男は紙袋を受付のスタッフからは見えず、待合室からも目立たない位置に置いたという。

 男は受付のボックスに紙のような物を出した。受診に関する書類とみられる。エレベーター前に戻ると、置いてあった紙袋の一つを左手で傾けてガソリンを床にまき、火を付けた。もう一つの紙袋は非常階段の方に投げたという。

 谷本容疑者が来院してから出火するまでは1~2分だった。府警は容疑者が受診を装い、院内の状況を確認して火を放つタイミングを計ったとみている。

 府警によると、谷本容疑者は…

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