小学生のとき、心の支えだった保健室の先生へ 新聞に投稿してみたら

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山本奈朱香
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 昨年10月14日の朝。盛岡市内の中学校で養護教諭をする吉田慈(めぐみ)さんは、かつての同僚から「これ、めぐちゃんのことだよね?」というメッセージを受け取った。

 一緒に送られてきた新聞記事を読むと、神奈川県に住む19歳の大学生が、小学校の時の保健室の先生を探しているという内容だった。投稿者の名前は、「山田琴美」。こっちゃんだ! ありがとう。ごめんね。いろんな気持ちがこみ上げ、涙があふれた。

 吉田さんは大学を卒業し、企業に2年勤めた後で養護教諭の資格を取った。代替教員として私立学校で2年半勤務後、2010年に神奈川県で採用された。そして赴任した学校が、こっちゃんのいた小学校だった。

 児童数約830人に養護教諭は1人。保健室には、ケガや病気だけでなく、悩みを抱えた子もやって来る。「足が痛い」と言っていても、本当はリレーの選手になれず悔しくて泣いていることもある。新任教諭にとっては、緊張を強いられる日々だった。

「おなか痛い」 SOSだったのかも

 こっちゃんが「おなかが痛い」と保健室にやって来たのは、低学年の時。ベッドで休ませたが、後で担任から友達関係で悩んでいるようだと伝えられた。「SOSだったのかも」。気づけなかったことがショックだった。心と体はつながっているから、両方をきちんと見ることの大切さを感じていたのに……。

 だから、こっちゃんが次に来…

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