人気バンド解散後に現れた歌姫 心の傷を詩にして、回り道した先に

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張春穎
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 ラインの未読件数は数時間で60件に達する。毎晩のロビーライブ出演者との日程調整、選曲のアドバイス……。裏方仕事に忙しいのが、万座温泉(群馬県嬬恋村)の大型旅館「日進舘」の2代目おかみ・宮田まいみさん(41)の日常だ。

 日本一の硫黄濃度、湧出(ゆうしゅつ)量1日540万リットル。万座温泉には、圧倒的な温泉の力で元気をもらう湯治客らが訪れる。まいみさんは健康づくり講座を企画して一緒にタオルをぶんぶん回し、教会の時間としてオルガンを奏でて、もてなす。

 実はビジュアル系バンドのボーカルだった。髪を真っ赤に染めて、マイクスタンドを思い切り傾けて。

 おかみには向かないと思っていた。でも、苦しみ、支えられて、戻ってきた。

 標高1800メートル、上信越高原国立公園内の山奥でクリスチャン一家の長女として育った。おかみとして客やスタッフに慕われる母親に甘えられず、孤独を感じる日々。中学、高校は万座を出て前橋市内で寮生活を送り、母親に認められたい一心で東京のキリスト教信仰の短大を受験したが、失敗。心の病になった。

 「生きている価値、あるのかな」。昼夜が逆転し、毎食後に5種類13粒の薬を飲む生活。都内で一人暮らしをして別の短大に進学したが、引きこもった。

デモテープでつかんだ好機 なのに悪い癖が

 卒業してまもなく、心配した…

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2021年12月31日20時58分 投稿

    【視点】■夢は代謝が必要だ  年末に帰省しなかったキミのためにあるような記事である。年末年始は必ずしも幸せだとは限らない。美味しいごちそうに囲まれていても、精神的には空虚な気分を味わっているかもしれない。そんなアナタが読むべき記事だ。  夢の生