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小児の白血病88%、AYA世代の乳がん90% 5年生存率を初公表

姫野直行
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 国立がん研究センターは23日、15歳未満の小児と15~39歳の「AYA世代」ががんと診断されてからの種類別「5年生存率」を初めて公表した。小児に多い白血病では88・0%、脳腫瘍(のうしゅよう)は74・6%。AYA世代では、患者が多い乳がんが90・0%、子宮頸部(けいぶ)・子宮がんが89・0%だった。若い世代はがんになった後も長く様子をみる必要があり、支援策が求められている。

 センターは、2013年から翌年にかけ、全国の437病院でがんと診断された約88万人のデータから、この世代の値を集計した。AYAは「思春期と若年成人」を意味する英語(Adolescent and Young Adult)の頭文字。

 小児では、胚細胞(はいさいぼう)腫瘍(しゅよう)が96・6%で最も生存率が高く、骨腫瘍が70・5%でもっとも低かった。AYA世代では、甲状腺がんが99・2%で最も高かった。

 集計に協力した国立成育医療研究センターの松本公一・小児がんセンター長は「若い世代のがんは10年、20年といった長い期間で考える必要がある」と話し、より長期にわたる調査が必要だとした。

 集計結果については、「薬や放射線による治療が効きやすいことから小児の生存率は比較的高い」と分析した。

 若い世代のがんに詳しい国立病院機構名古屋医療センターの堀部敬三・上席研究員は「AYA世代は介護保険などの支援が抜け落ちている。世代別の生存率が公表されることで注目され、支援につながってほしい」と話す。これまでこの世代では、対策の基礎となるデータがなかった。

 この日は、がん患者の最新の10年生存率も公表された。国内最大規模の調査で、09年に診断された281病院の約29万人のデータを集計。全体では60・2%で、前回から0・8ポイント増加した。

 センターのホームページ(https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/index.html別ウインドウで開きます)で詳しいデータを公開している。(姫野直行)

小児がんの5年生存率

がんの種類  5年生存率(%)

白血病        88.0

リンパ腫       90.7

脳腫瘍        74.6

神経芽腫       78.6

網膜芽腫       95.4

腎腫瘍        93.8

肝腫瘍        87.1

骨腫瘍        70.5

軟部腫瘍       79.3

胚細胞腫瘍      96.6

その他のがん     91.0

AYA世代(主なもの)

がんの種類       5年生存率(%)

白血病            75.0

リンパ腫           90.1

脳・脊髄(せきずい)腫瘍   84.3

胚細胞性ほか         95.0

甲状腺がん          99.2

乳がん            90.0

子宮頸部・子宮がん      89.0

大腸がん           74.8

胃がん            61.7

     (国立がん研究センター調べ)