プロ入りは偶然、成り上がりは必然 FC東京へ移籍のFW山下

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藤木健
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 サッカーJ1のFC東京は23日、FW山下敬大(けいた)(25)をJ1サガン鳥栖から完全移籍で獲得すると発表した。山下はテスト生からプロ契約を勝ち取り、J1初挑戦だった今季は35試合9得点。今度は地方クラブから首都クラブへと戦いの場を移し、成り上がりの物語は続く。

 苦労人が、新たなチャレンジを選んだ。タイトル獲得の経験がない鳥栖から、クラブ規模もチーム人件費も倍以上で、天皇杯やルヴァン杯で優勝したこともあるFC東京へ。山下は新天地のサポーターへのコメントで、思いを語った。

 「タイトル獲得のため、自分のすべてをFC東京に注ぐことを約束します」

 福岡・九州国際大付高、福岡大を経て、2018年にJ2レノファ山口入り。20年に移籍したJ2ジェフユナイテッド千葉で主力を担い、今季はJ1鳥栖で名を上げた。

 福岡大では3度の大けがを負い、大学生活の半分以上をリハビリに費やした。「グラウンドに行きたくない時期もあった。プロの練習に参加する仲間の姿に、複雑な思いもあった」

 プロに入る際も当初は正式オファーはなく、練習生として声をかけられたのが始まりだった。「他に選択肢もない。ただただ必死だった」。わずかなチャンスをつかみ、ステップアップを続けてきた。

 不思議な縁と持ち前の懸命さ…

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