高校サッカー考~100回目のキックオフ~(中)
100回目を迎える今大会から、全国高校選手権に大きな変化が加わった。
2、3回戦を連戦で行っていた従来の大会日程を見直し、今後は連日開催をなくして試合日の間に少なくとも中1日の休養日を設けるようになった。
「連戦がなくなったのは大きな前進」と歓迎するのは全国高体連サッカー専門部技術委員長の蔵森紀昭(54)だ。短期集中のトーナメント大会ゆえに、ゲーム環境をどう整えるかは久しい問題になってきた。
選手のプレーの質を保ち、けがを予防するには休養日を増やしたい。だが大会期間を長くすれば経費が増え、試合会場の調整や大会を手弁当で支える首都圏の学校関係者への負担は増す。今回の連戦撤廃には、大会運営に携わる高校から「冬休みに遠征に出る時間がなくなる」と反対の声もあがった。
蔵森がゲーム環境の改善策のひとつとして、さらにこだわるのが45分ハーフ制の実現だ。準々決勝までは40分ハーフ制を採用しているが、育成を考えれば、体力的にも戦術的にも高校年代では正規の90分間での試合が必要とされる。
放送枠に収まらない日テレ
蔵森が「実現のために戦っている」という相手が、高体連とともに大会を主催する民放43社の中心となる日本テレビの存在だ。40分ハーフでも同点でPK戦に入れば放送枠に収まらないケースが起きる。テレビ側の抵抗感は根強い。
高体連が日テレの意向を尊重…
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