放火事件の雑居ビルは階段設置義務の適用外 違法ではないが不適格

有料会員記事大阪・北新地のビル火災

添田樹紀
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 25人の命が奪われた大阪市北区の放火殺人事件から24日で1週間。現場となった雑居ビル内には、階段が一つしかなかった。火元とは逆の方向にも逃げられる「二方向避難」を可能とするため、建築基準法施行令で二つ以上の階段の設置を義務付けているが、この雑居ビルは適用外。「違法」ではないが、「不適格」な建物だった可能性が高いという。

 今回の事件で、谷本盛雄容疑者は4階のクリニックをエレベーターで訪れ、エレベーターの前と、一つしかない階段につながる非常口の手前に火をつけたとみられる。避難経路をふさごうとした可能性がある。救急搬送された27人のうち谷本容疑者以外は、火元から離れた室内の奥の部分で見つかった。

 登記簿などによると、雑居ビルは8階建てで、1970年に建設された。1~6階の床面積は各90平方メートル超。大阪市消防局の説明では屋内階段は一つで、外階段はなかった。

 建築基準法施行令は、劇場や映画館、6階以上の建物などには地上につながる二つ以上の階段を設置しなければならないと定める。6階以上の建物への設置は1974年施行の改正施行令に盛り込まれた内容で、118人が死亡した大阪・ミナミの千日デパートビルの火災(72年)を踏まえた対策だった。

大阪市の担当者は

 しかし、今回の雑居ビルは改…

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