量子暗号通信の研究開発に27.5億円 22年度当初予算案

平林大輔、江口悟
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 岸田政権は、重要物資の確保や先端技術の流出防止の取り組みを進める「経済安全保障」に力を入れる。半導体工場の建設費の最大半額を補助する6千億円超の基金などを盛り込んだ21年度補正予算に続き、22年度当初予算案にも各省庁が関連事業を盛り込んだ。

 内閣府では、経済安保強化などに向けた分析や政策提言に当たるシンクタンクを、23年度に設立する計画に備えた費用などに3・5億円を計上した。

 機密情報を安全にやりとりするための「量子暗号通信網」の構築もめざす。実用化されれば今のスーパーコンピューター以上の性能を持つとされる「量子コンピューター」による暗号解読を防ぐ技術で、人工衛星を介した量子暗号通信の研究開発などの事業費として、総務省は27・5億円を盛り込んだ。

 また、経済産業省は、軍事転用できる技術が他国に漏れるのを防ぐため、中小企業や大学などが組織内の管理を強化できるよう、説明会の開催や専門人材の派遣を通じて支援する事業に18・5億円を計上した。

 サイバーセキュリティーの強化も重視する。総務省はサイバー攻撃への対応として、行政機関やインフラ事業者の人材育成や技術開発に取り組む予算に32・5億円を計上。経産省はサプライチェーン(供給網)全体で対策を強化する事業に3億円を計上した。1社がサイバー攻撃を受けても関連会社や取引先への影響が防げるように業界全体で安全性を高める指針などをつくるという。(平林大輔、江口悟)