第3回人生急転させた出会いから政界へ 「維新の顔」吉村氏の実像
寺尾佳恵 久保田侑暉
国政政党「日本維新の会」の母体である大阪の地域政党「大阪維新の会」。代表を務める大阪府知事の吉村洋文氏(46)は昨年10月の衆院選で維新の「顔」となったが、人物像や、リーダーとしての手腕とは。関係者たちの証言などから実像に迫った。
「屋台骨がいなくなってダメになると言われている。みなさんと乗り越えたい」。2020年11月にあった大阪維新の代表選。大阪市長の松井一郎氏に代わり、新代表に選ばれた吉村氏は所属議員たちに訴えた。
その3週間前、維新の看板政策「大阪都構想」の2度目の住民投票が否決されていた。その日の夜、大阪市のホテルで開かれた松井氏と吉村氏らの記者会見。
松井氏は冒頭、「けじめ」として、市長任期が満了となる2023年4月での政界引退を表明。吉村氏は「引退について僕が何か言えることはない」と語ったが、会見後、松井氏にこう懇願したという。
大阪維新の会が大阪府知事、大阪市長のダブル選挙を制して10年が過ぎました。大阪での政治基盤を背景に、2021年の衆院選で野党第2党になった維新の実像とはどんなものなのか。その組織や戦略、政策、リーダーを検証します。
「僕だけ置いていかんといて…