「僕は普段から頭のなかで朗読してる」村上春樹さんインタビュー

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聞き手・柏崎歓
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 作家の村上春樹さんの著書や資料を集めた「早稲田大学国際文学館」(村上春樹ライブラリー)のオープン記念イベント「Authors Alive!~作家に会おう~」が、予定された第6回までの日程をひとまず終えた。一連の朗読イベントについて、村上さんに聞いた。

 ――今回のイベントは、村上さんご自身の発案だと聞きました。

 そうです。僕はアメリカの大学にいくつか所属して教えてたことがあるんだけど、作家の朗読会やレクチャーがしょっちゅうあるんですよ。でも僕自身の大学生活を振り返ってみると、作家に会ったことなんて一度もない。これはやっぱり寂しいですよね。

 作家や文学の関係者に直接会って、話を聞いたり質問したりすることで刺激される部分は、すごくたくさんあると思う。大学っていうのはただ講義を受けてペーパー出しておしまいじゃなくて、勉強する以外のアクティビティーもあるんだっていうことを、僕としては訴えかけたかった。

 ――朗読は自分の声で読んで、目の前にいる人が聞く。普段の執筆とはだいぶ勝手が違うのでは。

 人によって違うと思うんだけど、僕は普段から、書きながら頭のなかで朗読してるようなところがあるんです。自分が書いた文章を、声には出さないけど頭のなかで読み直して、言いよどむところとか言いにくいところを書き直していくと、読みやすい文章ができる。頭のなかで音にするっていうのはすごく大事なんです。だから、朗読というのは僕にとっては普段の行為とそんなに変わらない。

 ――村上さんは初期の作品を朗読することが多いような気がしますが、何か理由があるんでしょうか。

 長さの問題です。最近のはちょっと長いんですよね。40分もかけて読んでもね、聞いてる人が疲れちゃう。昔はけっこう短いものを書いてたんで、ついそっちを読んじゃうんですよね。話が途中でぷつんと終わっちゃうのはやっぱりつまんないから、できれば、最初から最後まで読みたいなと思うし。

 でも今度は一度、すごく長い長編の一部を読むというのをやってみようかと思ってるんだけど。そのほうが逆にさっぱりしてていいかもしれない。

 ――今回のイベントには、村上さん以外にもいろいろな方が参加しました。

 今回は一種のサンプルとして…

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